私たちの好きな街・好きな場所
- 最近、イタリアがブームだそうです。なにかと問題の多い我が祖国ニッポンですが、この
- いい加減で、物騒で、明るく、そして楽しい国を好きな人が多いと聞くと、ニッポンも、ま
- だまだ捨てたものではないと思えてきます。
- この国は、戦後、欧米諸国と日本がひた歩んできた大量生産、大量消費への道を歩まなか
- った国です。私達の国のオトウサンたちが休日返上で、働いていたときに、この国の人々は
- たっぷりと休み、歌を歌い、時間をたっぷりかけてインスタントでないマンマの手料理を楽
- しんでいた国です。おかげで、失業率は高いそうですし、鉄道は年柄年中、ストで止まるし、
- どうしようもない国なのですが、それでも、この国の人々は楽しそうだし、私もこの国が大
- 好きです。
北イタリア
- 私(Yuhko)の旅行自慢のひとつが、8万9千円のツアーでイタリアに行ったということ
- です。もちろん、添乗員どころかツアーのお仲間すらいないというたったひとりの旅でした。
- けれど、ひとり旅というのは、いつでも面白いものですが、この旅も恐かったの、面白かっ
- たのって。なんせ、イタリアですよ、ひとりでなんか旅行してた日には、マフィアに売られ
- るわ、男どもには追っかけられるわ、ジプシーには物乞いされるわ、なんてことがないよう
- に、世界一人旅の達人の友人に十分に指導を受けて、幸い、危ない目には合わずに帰ってき
- ました。ところが、ところが。
水の都ベネツィア
- 自動車どころか、自転車さえ通らず、世界で一番静かな街の筈でした。ところが、なんと
- あろうことか、泊まったホテルにティーンエージャーの集団がいるわ、いるわ。要するに、
- 修学旅行の一団と鉢合わせしちゃったわけですね。イタリアのおガキ様は、日本のおガキ様
- の十倍ぐらい、賑やかですから。私はどこの街に泊まってるのか、ふと忘れてしまいそうで
- した。それでも、なんだか思ったよりこじんまりした街で、水上バスを使って、気軽に街中
- を簡単に歩き回れて、街というより公園のような感じのところでした。なんか、現実ばなれ
- してるのですが、それでも人が昔からの古い建物に暮らしていて、不思議な街でした。
フィレンツェ
- イタリアを旅行するにあたり、ちょっとイタリアに関する本を読んで行ったのですが、北
- イタリアは南イタリアとは、まるで違う国民性を持ち、フィレンツェ人などは、ほとんど、
- 京都人だというくだりがありました。京都人といえば、あの「ぶぶづけでも、いかがどすえ」
- というセリフは、あまりにも有名ですが、フィレンツェでは、「リゾットでも、いかが」な
- んて声かけられたりするかしら、なんて笑い転げてました。まあ、そういうことは言われな
- かったのですが、たしかに京都や金沢によく似た街でした。とくに街の真ん中を流れるアル
- ノ川は、京都の鴨川や金沢の犀川にとても良く似た雰囲気を持っておりました。
南イタリア
- 実は、南イタリアには、随分前にローマに行っただけで、ナポリにもシチリア島にも行っ
- たことがありません。でも、そのうち、必ず行ってみたいところです。南イタリアは北とは
- 人種も異なり、貧しい地域と言われてます。それでも、私たちの持つ、イタリア人の明るく
- 朗らかなというイメージは、南イタリアのもののように思われます。
芸術
- イタリアはどこに行っても、街中が美術館と言っても言い過ぎでないほど、美しいものに
- 溢れています。こういうものばかり見て育つと、あのイタリアンモード、インテリア、スポ
- ーツカーが、次から次に生まれてくるのも当たり前のように思われます。美しい建物、彫刻、
- 絵画、と見歩いて、ウィーンに移動するために寝台車に乗ったのですが、ここにも高校生の
- 集団が。あららー、と思ってふと彼らのお顔を見ると、なんとまあ、生きた彫刻!!、どの
- 子も、どの子もきれいなこと。そうねぇ、この顔を毎日、眺めてると美しい芸術も生まれて
- くるのかしら、と納得いたしました。
食べ物
- 最近、街中のあちこちにイタリアンレストランが目につくようになりました。さすがに、
- 最近は、イタリアに行ったことある人が増えて、ドリアやケチャップでベトベトのスパゲテ
- ィーだけを並べて、イタリア料理と称するようなお店は少なくなりましたが、それでも、イ
- タリアの市場で見た新鮮な果物や力強いお野菜は日本では手に入らないのではないかしら・
ピッツァ
- 私のふるさと、鹿児島は実は、ナポリと姉妹都市なので、ナポリという街には親近感があ
- ります。ところで、今をさかのぼること20年程前に、日本にもピザという食べ物が入って
- きました。ところが、この時に入ってきたピザは、悲しいことにアメリカを経由してたので、
- ベースがべったりと分厚く重たいタイプのものでした。ところが、その時に、鹿児島にとて
- もとても薄いピザを食べさせるお店があったのです。このお店に、東京の大学から里帰りし
- てた友人と行ったのですが、彼女の舌にはしっかりとジローのピザがインプットされており、
- 「これを作った人は、ピザの作り方を知らないんじゃないの。」とのたまわっておりました。
- そして、時を経て、イタリアで食べた本格ピザはあのときの鹿児島のお店のピザに近いもの
- でした。私が想像するに、あのときのピザを作った人は、もしかしてイタリアにピザのお勉
- 強に行ったのでは。そして、帰ってくると日本のピザは、みんなアメリカのピザで、来る客、
- 来る客にこれは違うとか、言われて・・・
チーズ
- 私はどの街に行っても、必ず市場に行きます。もうほとんど、どの街に行っても、その街
- の市場を見なければ、その街に行ったような気になれません。市場に並ぶ豊かな食料の数々
- を見ていると、その街の人々が見えてきます。そんな市場の中で、目を引いたのがチーズ屋
- さんでした。えー、こんなにあるのと驚くほど、いろいろな種類です。タイヤのように大き
- いもの、豆腐のように水に入ったもの、水牛の乳で作ったもの。イタリアのチーズは日本の
- 漬物のようなものと言われるけど、本当に臭い、そしておいしい。
カフェ
- もう、十数年前に初めて行った海外がヨーロッパで、その時に飲んだコーヒーがまるで、
- 漢方薬のように、濃くて苦いのに閉口したものです。けれど、そんな私も時を経て味覚が変
- わったのか、彼らが好んで飲むエスプレッソの味が分かるようになってきました。小さなカ
- ップでさっと飲むエスプレッソは立ち飲みするのによく似合ってます。忙しい日本人に合っ
- ているような気もします。おいしいエスプレッソを飲ませてくれるお店が日本にも、もっと
- 増えてくれるといいなと思ってます。
ミラノ風カツレーゼ
- これは、実はイタリアでは食べていません。ミラノに行かなかったからというより、行く
- 前にこういう食べ物があるのを知らなかったから。イタリア旅行から帰ってきて、その味が
- 忘れられずに、イタリアに関する本を読み漁って、こういう食べ物があることを知り、早速
- 作ってみました。
- <ミラノ風カツレーゼの作り方>
- まず、カツにしては、薄い牛肉を買ってきます。決して、お金があるからと行って厚めの
- お肉など買ってはなりません。この料理の身上はその薄さです。普通のカツは、お肉に小麦
- 粉、卵、パン粉の順で付けていきますが、このカツは小麦粉を省きます。そして、パン粉は
- 粒子の細かいものを付けます。そして、サラダオイルで揚げて、レモンをかけて頂きます。
- カリッと軽くて、いくらでも、いくらでも食べられちゃいます。